日本の家電量販店では、1人の客が買えるメモリチップの数に厳しい制限がかけられている。世界中でメモリの価格が激しく変動し、一部の販売業者は数時間で無効になる見積書を送っている。この深刻な不足は、工場の閉鎖ではなく、人工知能(AI)の急激な成長が原因である。
マイクロソフトやグーグルなどのIT大手は、巨大なAIデータセンターを建設している。AIサーバーは、従来のサーバーの10倍から20倍のメモリを必要とする。このため、サムスン電子などの主要なメモリ製造会社は、普通のパソコンやスマートフォン向けのメモリではなく、AIに必要な高性能メモリの生産に力を入れている。
高性能メモリは利益が大きいが、生産が難しく、工場のスペースを多く使ってしまう。その結果、一般の家電向けのメモリ生産が減少し、2025年から2026年にかけてメモリの価格が急騰した。スマートフォンのメーカーは、部品代の上昇により、製品の価格を20%から30%値上げせざるを得ないと警告している。
半導体工場はフル稼働しているが、新しい工場を建てるには数年かかるため、この不足は2027年か2028年まで続くとみられている。AIの普及によって世界のメモリ需要は根本的に変わってしまい、消費者はしばらくの間、高い価格を支払うことになりそうだ。