160年以上もの間、アジアの高山地帯にひっそりと生息していた1種の毒ヘビが、実は5つの異なる種であったことが明らかになった。国際研究チームの調査によって、「ヒマラヤクサリヘビ」として知られていた種が、実際には5種の複合体であることが発見された。そのうちの3種は科学界にとって完全な新種であり、研究結果はオープンアクセス学術誌「ZooKeys」に掲載された。
新たに命名された3種は、ヒンドゥークシュピットバイパー、ハザラピットバイパー、ネパールピットバイパーである。そのうち2種はパキスタンの山岳地帯にのみ生息している。
研究チームは「統合分類学」と呼ばれる手法を用いた。これは外見だけでなく、遺伝子分析、骨格の形状、生態学的観察など複数の証拠を組み合わせて種を識別する方法だ。また、19世紀に収集された博物館の標本からDNAを抽出するという重要な作業も行われた。
この発見は単なる分類の整理にとどまらない。ヘビの種が異なれば、毒の成分も異なる可能性があるからだ。チームは今後、5種それぞれの毒を調べ、より効果的な抗毒素の開発につなげることを計画している。高山地帯で暮らす人々の命を守るためにも、この研究は重要な意味を持つ。