スイスで、国の未来を決める大きな議論が起きている。2026年6月14日、スイスの有権者は、2050年まで人口を1000万人以下に制限するという憲法改正案について投票を行う。この提案は、右派政党のスイス国民党(SVP)によって進められた。スイスの直接民主制では、18か月以内に10万人の署名を集めれば、国民投票を行うことができる。
スイスの人口は過去100年で3倍に増え、2025年末には約910万人に達した。現在、住民の約3割が外国籍で、約4割が移民の背景を持っている。SVPは、急激な人口増加によって住宅や交通、医療などの公共サービスが限界に達しており、スイスの文化も失われる危険があると主張している。
しかし、この提案には大きなリスクがある。人口が1000万人に達した場合、スイスは欧州連合(EU)との「人の移動の自由」に関する協定を解約しなければならない。スイスはEUに加盟していないが、多くの協定によってEUの市場に参加している。もし協定が解約されれば、貿易や交通に関する他の重要な条約も自動的に取り消され、経済に深刻なダメージを与える可能性がある。
ビジネス界や政府、多くの政党はこの提案に強く反対している。スイスでは高齢化が進んでおり、移民を制限すると労働力不足がさらに悪化し、年金制度も維持できなくなると指摘されている。世論調査では賛成と反対が競り合っており、国民の判断に注目が集まっている。