今月末、日本のコンビニに入ると、ある棚が少し寂しく見えるだろう。カルビーのポテトチップスの鮮やかな赤・黄・金色のパッケージが、白黒のデザインに変わり始めるからだ。
2026年5月25日から、カルビー株式会社は14種類の商品のパッケージを一時的に2色刷りに切り替える。対象となるのは、ポテトチップス、うす塩味チップス、かっぱえびせんなど、スーパーやコンビニでおなじみの商品だ。
その原因は、スナック菓子とは全く関係がない。数千キロ離れた場所で起きている戦争にある。
問題の中心にあるのは「ナフサ」という石油を精製して作られる液体だ。ナフサは、食品パッケージに使われるプラスチックや印刷インクの原料となる重要な物質だ。ナフサが不足すると、袋そのものも袋に印刷される色鮮やかなデザインも、製造が難しくなる。
ナフサが不足している理由は、イランをめぐる戦争だ。2026年2月末、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃をきっかけに紛争が始まり、ホルムズ海峡が封鎖された。この海峡は世界のエネルギー輸送にとって最も重要な水路だ。その閉鎖により、日本が依存している石油の輸送が大きく乱された。
日本はほぼすべての原油を輸入しており、中東への依存度が特に高い。そのため、湾岸の輸送が止まると、石油化学産業や製造業が大きな打撃を受けやすい。
カルビーにとって、着色インクはもはや安定して確保できるものではなくなった。パッケージを2色に減らすことで、商品の安定供給を維持しようとしている。この変更は一時的なものとされている。
1949年に創業し、東京に本社を置くカルビーは、日本最大のスナック菓子メーカーだ。白黒のパッケージは、遠い戦争が普通の日常にまで影響を与えていることを静かに伝えている。