南極探検クルーズ船MVホンディウスは、世界最南端の港・ウシュアイアを出発し、南極大陸を訪れる乗客を乗せて航行していた。しかし、カーボベルデの首都プライア沖の暖かい大西洋に到着するまでに、乗客3人がすでに死亡し、船内でまれなウイルスが広がっていることが判明した。
最初に死亡したのは70歳の男性で、南アメリカとアフリカの中間に位置する英国の海外領土・セントヘレナ島に到着した際に死亡が確認された。その妻(69歳)はヨハネスブルグの国際空港で倒れ、同市の病院で亡くなった。さらに3人目の乗客も死亡し、4人目はヨハネスブルグで集中治療を受けている。また乗組員2人にも症状が出ている。
世界保健機関(WHO)は5月3日にこのアウトブレイクを発表した。合計6人が感染の影響を受け、うち1人はハンタウイルス感染がラボで確認された。残りの5人は感染が疑われており、検査結果を待っている。
ハンタウイルスは、感染したネズミの糞・尿・唾液を吸い込むか触れることで広がる。人から人への感染は非常にまれで、重症の場合の死亡率は約40%にのぼる。治療法はなく、医師は酸素補給や輸液などで体を支えることしかできない。
オランダ当局はWHOと協力し、症状のある人々をカーボベルデからオランダへ移送する計画を進めている。ホンディウスは現在もプライア沖に停泊しており、乗客・乗組員の上陸はまだ許可されていない。