2024年1月10日の夜、日本上空の空で、かすかな星が15秒から20秒ほどの間、瞬いた。全国に散らばった天文台の天文学者たちや、200ミリの望遠鏡を使う天文ファンたちが、その瞬間をじっと待っていた。約40億キロ先にある凍った岩が星の前を通過し、星の光が一瞬で消えると予想していたのだ。しかし実際には、星の光はゆっくりと暗くなり、またゆっくりと明るくなった。この穏やかな変化は、光がガスの中を通過したことを示す明確なサインだ。その凍った岩には、大気があったのだ。
その天体の名前は「(612533) 2002 XV93」という。直径は約500キロメートルで、冥王星の4分の1以下の大きさだ。本来、このような小さな天体に大気があるはずはない。
この発見は、国立天文台石垣島天文台の有松亘が率いるチームによって、今週「ネイチャー・アストロノミー」に発表された。冥王星以外の太陽系外縁天体で大気が確認されたのは、これが初めてだ。
この天体の大気の気圧は、100ナノバールから200ナノバール程度と計算されている。これは地球の大気圧の500万倍から1000万倍も薄い。このような薄い大気は、何かが補給し続けない限り、1000年以内に宇宙空間へ逃げてしまうはずだ。
大気の原因として考えられるのは、低温火山活動か、彗星との衝突だ。しかしジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡でこの天体の表面を観測しても、大気の源となるような氷は見つかっていない。謎はまだ解けていない。