中央市 の 路地 は 石造り の 建物 の 間 を 狭く 暗く 走っており、 アイザック・マクドゥーガル は ずいぶん 前 に、 暗闇 が 別 の 感覚 で 追う 者 たち から 身 を 守る 場所 に はならない と 悟っていた。 夜 の 湿気 で 濡れた 壁 に 背中 を 押しつけながら、 彼 は 耳 を 澄ました。 石畳 を 踏む 靴音。 三 人、 いや 四 人、 黒い 闇 の 中 に 黄色い 楔 を 切り開く 提灯 の 光。 憲兵 隊だ。 彼 は ほとんど 微笑み そう に なった。
両手 を 持ち上げ、 錬金術 を 流れ させた。
水 は、 いつも の よう に 即座 に、 完全 に、 まるで ずっと 待っていた か の よう に 彼 の 呼びかけ に 応えた。 溝 に 溜まった 水 溜り、 石壁 に 結んだ 水滴、 壊れた 排水 管 の 口 に 集まった 浅い 池、 それら すべて が 彼 の 呼びかけ に 向かって 押し寄せた。 一 人 の 兵士 が 叫ぶ 間 が あった。 別 の 一 人 が 逃げる 間 が あった。 しかし、 路地 の 壁 から 爆発 する 沸騰 した 蒸気 の 柱 を 生き延びる 間 も、 続いて 飛んできた 氷 の 尖 柱 を 避ける 間 も なかった。 三 人 目 の 提灯 が、 凍った 石畳 に 叩きつけ られて 砕け、 再び 闇 が 流れ込んできた。
マクドゥーガル は 遺体 を またぎ 越しながら、 それら を 見る こと は なかった。 遺体 を 見る の を やめた の は、 もう 何 年 も 前 の ことだ。
彼 に は 描くべき 錬成 陣 が あった。
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二 ブロック 先 で、 ロイ・マスタング は 中央司令部 の 正面 に 広がる 街灯 の 光 の 中 に 立ち、 手 に した 命令 書 を、 朝 の コーヒー に 不愉快な もの を 発見 した 男 の 表情 で 眺めていた。
「 総統 閣下 は とても 寛大で いらっしゃいました」 と、 隣 に 立つ ホークアイ 中尉 が 言った。 その 声 は 何 の 感情 も 伝えなかった。
「 総統 閣下 に は」 と マスタング は 言った、「 問題 を 他人 に 委ねながら、 それ を 称賛 と 呼ぶ 驚くべき 才能 が ある。」 彼 は 命令 書 を 折り畳んだ。「 離反 した 国家 錬金術 師 を 追跡 せよ 、だ と。 中央 で。 我々 が リオール に 向かう はずだった 時 に。」 彼 は 横目 で ホークアイ を 見た。「 しかも その間 に、 うち の 天才 も 活用 しろ と いう ことらしい。」
背後 の 廊下 の 奥 から、 重い 金属 製 の 足音 が 聞こえてきた。 続いて、 廊下 の 長 さ について 大声 で 不満 を 言う 高い 声 が 聞こえてきた。
エドワード・エルリック は 十 五 歳で、 五 フィート 二 インチ の 背丈だった。 この 事実 を 声 に 出して 言うと、 おそらく 物的 損害 が 生じる こと に なるだろう。 彼 は 頼ま れて も いない 命令 を 受け取った 人物 そのもの の 表情 を 浮かべていた。 その 背後 で、 アルフォンス は、 存在 する こと を 申し訳な さ そう に 感じる こと を 覚えた よう に も 見える、 フル プレート の 鎧 の 慎重で 重み の ある 歩き 方 で 動いていた。
「 それで、 誰 を 追う んです か」 と エドワード は、 招か れて も いない のに 椅子 に 落ちながら 言った。
マスタング の ファイル が 二 人 の 間 の テーブル の 上 に 落とさ れた。 中 の 写真 に は、 鋭い 目 を した 厳格な 顔 の 男 が 写っていた。「 アイザック・マクドゥーガル。 凍結の錬金術師 と 呼ば れている の を 聞いた こと が ある かも しれない。」
「 イシュヴァル の 後 に 辞めた 人です ね。」
「 イシュヴァル の 後 に 辞めた 人物だ」 と マスタング は 確認 した。「 そして、 国家 軍 に対して 強い 意見 を 持つ よう に なり、 それ を 公 の 場 で の 暴力 で 表現 する こと に したらしい。」 彼 の 視線 が エドワード に 向け られた。「 元 軍人だ、 鋼。 訓練 を 受けており、 危険で、 今夜 だけ で 憲兵 を 四 人 殺している。 だから 私 が 慎重 に 行動 しろ と 言ったら ——」
「 聞こえてます。」
「 それでも 繰り返す。」
エドワード は すでに ファイル を 読み始めていた。
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彼ら は 悲鳴 を 辿って 彼 を 見つけた。
路地 に は 硫黄 の 臭い と、 それ より 冷たい 何 か、 鼻 を 刺し 目 を 潤ま せる、 水 が 望まない 形 に 無理 に 固め られた 時 の 鋭い 鉱物 の 残り香 が 漂っていた。 エド は 角 を 走って 曲がり、 壁 に 押しつけ られた よう に して 凍りついた 棚 に 挟ま れている 憲兵 二 人 の 姿 を 見て、 急 停止 した。 コート が 凍りつき、 顔 は 寒 さ で はなく 衝撃 で 青ざめていた。 ただ 挟ま れている だけ で それ 以上でない の は 幸運だ と エド は 思った。
マクドゥーガル は 路地 の 中央 に 立ち、 両手 を 上げ、 水 が ゆっくり と した 螺旋 を 描いて 彼 の 周り を 回っていた。 足音 が 聞こえると、 彼 は 振り向いた。
「 また 子供 を 送り込んできた」 と 彼 は 言った。
エド は 誰 か に 子供 と 呼ば れた 時 に 胸 の 奥 に 起こる 慣れ親しんだ 灼熱 感 を 感じながら、 それ を 無視 する という 大人 の 意識 的な 決断 を 下した。「 アイザック・マクドゥーガル。 逮捕 する。」
「 そう か。」 マクドゥーガル は 閉まった ドア を 見る 男 の よう に 彼 を 見た、 敵意 が ある わけで はなく、 それ が 持ちこたえ られる か どう か 評価 している よう に。「 お前 が 鋼の錬金術師 か。 若い 方 の。 錬成 陣 は どこだ、 少年?」
エド は 両手 を 打ち合わせた。
錬金術 が 呼吸 の よう に、 すらすら と、 すぐ に 彼 の 中 を 流れ、 路地 の 床 が 波 の よう に 隆起 し、 マクドゥーガル を 転倒 さ せる はずだった。 凍結 使い の 水 の 盾 が それ に 応え、 氷 の 壁 が 石 を 割りながら 波 を 止めた。 マクドゥーガル の 手 が 再び 動き、 一瞬 の うち に 気温 が 十 度 下がった。 過熱 した 蒸気 が エド の 右側 に 向かって 叫ぶ よう に 迫ってきた。
エド は そちら に 向き直った。 蒸気 は 濡れた 布 が 熱した フライパン に 触れる ような 音 を 立てて 彼 の 腕 に 当たり、 鋼鉄 に 当たって 散った。 肩 の 接続 部 を通じて 熱 を 感じた が、 鈍く 遠い 感覚 で、 彼 は 蒸気 の 雲 を 押しながら 前 に 進んだ。
マクドゥーガル の 目 が オート メイル の 腕 に 向け られた。 彼 の 表情 に 何 か が 変化 した。 恐怖 で はなく、 再 計算 の ような もの が。
「 面白い」 と 彼 は 言った。
戦い は 短く 効率 的 に 終わった。 エド は 十分 に 速く、 十分 に 型 に はまらない 戦い 方 で、 マクドゥーガル の 最大 の 強みである 長距離 水 操作 を 確立 さ せなかった。 アル が 反対 側 から 路地 の 出口 を 塞ぐ よう に 入ってきた 時、 マクドゥーガル に 逃げ場 は なかった。 彼 は 石畳 の 上 に 膝 を つき、 両手 を 上げた。 すぐ に 憲兵 の 一 人 が 手枷 を 持って 現れた。
アル は 鋼鉄 の ヘルメット を通して 伝わる、 ほとんど 安堵 に 近い 吐息 の 音 を 出した。
エド は 手枷 が かけ られる 間、 マクドゥーガル の 顔 を 観察 した。 男 は 自分 の 手首 を 見ていた。 そして、 エド が ほとんど 見逃しかける ほど 微か に、 口 の 端 が 動いた。
マクドゥーガル の 掌 に 刻ま れた 刺青 が 青白く 光った。
手枷 は 砕けた と いう より、 一瞬 液体 に なり、 その後 まったく 異なる 形 で 再び 固化 した。 囚人 を 拘束 する こと と は 無関係 の 形 で。 マクドゥーガル は 光 が 消える より 前 に 動き始め、 本来 存在 している はず の ない 水源 から 水 が 彼 の 周り に 湧き 上がり、 そして 彼 は 消えた。 管 の 中 か 排水 溝 か、 あるいは その 両方 か を エド は 考えた が、 路地 に は 二 人 の 凍った 兵士 と、 錬金術 の 薄れていく 気配 だけ が 残さ れていた。
エド は しばらく 空 の 石畳 を 見つめた。
「 へえ」 と 彼 は 言った。
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マスタング の 報告 会 は 温かい もので は なかった。
「 お前 は 彼 に 近づいた」 と マスタング は 言い、 声 を 平静 に 保とう と している 時 特有 の 非常 に 静かな 立ち 方 で 立っていた。「 彼 が 何 を できる か 分からない まま。」
「 彼 が 何 を できる か 分かりました」 と エド は 言った。「 それ を 偵察 と 言います。」
「 それ を 無謀 と 言い、 その 区別 は 認めない。」 大佐 は 椅子 に 落ちながら 鼻 の 付け根 を つまんだ。「 彼 は 自分 の 皮膚 に 錬成 陣 を 刺青 として 刻んでいる、 鋼。 彼 の 手 が 錬成 陣だ。 武装 解除 は できない。 通常 の 方法 で は 拘束 できない。 手 を 動かす の と 同じ 速 さ で 錬金術 が 行使 さ れる。 お前 が 目撃 した よう に、 それ は かなり 速い。」 彼 は 顔 を 上げた。「 これ が、 情報 なし に 交戦 した 場合 に 起きる ことだ。」
「 失礼です が、 大佐 殿」 と アル は 慎重 に 言った。「 エドワード が 交戦 する 前 に、 その 情報 は 我々 に は 与え られていませんでした。」
「 だからこそ 先 に 集める のだ。」 しかし、 マスタング の 声 から 熱 は 消えていた。 彼 は 二 人 を 見た。 金属 の 腕 を 持つ 赤い コート の 少年 と、 習慣 から 呼吸 している よう に 見える 空洞 の 鎧 を。 そして、 一瞬、 まったく 別 の こと を 考えている よう に 見えた。「 マクドゥーガル は イシュヴァル で 戦った」 と 彼 は より 静か に 言った。「 優秀だった。 軍 の 基準 で は 有能 と 評さ れた。 そこで 何 が 起きた か が 彼 を 変えた。 彼 は 単なる 犯罪 者 で はない。 必要な こと を している と 信じている 男だ。」 彼 は 間 を 置いた。「 そういう 種類 の 人物 が、 最も 危険な こと が 多い。」
エドワード は 何 も 言わなかった。 彼 は ファイル の 写真 を 再び 見ていた。 モノクロ の マクドゥーガル の 目 は、 特定 の 代償 は 受け入れ 可能だ と すでに 決断 した 男 の 目 を していた。
エド は ああ いう 目 を 以前 に 見た こと が あった。 鏡 の 中 で。
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アームストロング 少佐 が マクドゥーガル を 見つけた の は、 太陽 が やっと 昇った 頃だった。
少佐 は 無視 する こと が 不可能な 人物 として 知ら れていた。 六 フィート の 彫刻 の ような 筋肉 を 持ち、 現在 は 輝き という 形 で 表現 さ れる 感情 に 捉え られており、 アレックス・ルイス・アームストロング の 場合、 それ は 涙 が 今にも 溢れ そうな 状態 を 意味 した。 彼 は 中央 の 外縁 地区 の 捜索 を、 いつも 通り の 徹底 さ と 完全な 繊細 さ の 欠如 を 持って行っていた。
マクドゥーガル は 荷物 置き場 の 陰 に かがんで、 先 の とがった 道具 で 石 に 錬成 陣 の 最後 の 点 を 刻んでいた ところだった。 影 が 彼 の 上 に 落ちた。
「 アイザック・マクドゥーガル」 と アームストロング は 真 の 悲しみ を 持って 言った。「 降伏 してくれ。 お願いだ。」
続いて 起きた 戦い は、 周囲 四 ブロック から 通行人 を 追い払う ような 戦いだった。 アームストロング の 石 の 錬金術 対 マクドゥーガル の 水、 鈍い 質量 対 流動 する 精度、 地質 学 的な 争い の 後 の よう に なった 荷物 置き場 に 痕跡 を 残しながら、 それぞれ が 相手 を 封じよう と する やり取り が エスカレート していった。 エド と アル が 騒音 に 引き寄せ られて 全力 疾走 で 到着 した 時 に は、 マクドゥーガル は すでに 隙 を 見つけ、 少佐 に は 追えない ほど 小さく 速い 隙間 を アームストロング の 土 の 波 を すり抜けて 消えていた。
再び、 街 の 血管 の 中 へ。
しかし、 それ も 長く は なかった。
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マスタング が 彼 を 東門 近く で 見つけた 時、 二 人 の 男 は しばらく、 濡れた 広場 を 挟んで 互い を 見つめた。
「 炎の錬金術師」 と マクドゥーガル は、 リスト から 項目 を 確認 する ような 口調 で 言った。「 お前 が 現れる の は いつか と 思っていた。」
「 お前 を 見逃す の は 難しい。」 マスタング の 手袋 は すでに 着け られていた。「 ここ で 終わりだ、 マクドゥーガル。」
凍結 使い は 微笑んだ。 それ は 温かい 表情 で は なかった。「 お前 たち が 何者 か は 知っている」 と 彼 は 言った。「 お前 たち が 何者 か は 分かっている。 総統 の 犬 どもだ。 奴 が 何 を 築いている か 知っている か? 中央司令部 が この 国 の ため に 何 を 計画 している か 分かっている か?」 水 が 排水 溝 や 側溝 や 朝 の 湿気 から 湧き 上がり、 壁 の よう に 立ち上がった。「 お前 たち は すでに 燃えている 家 の 中 で、 人 を 暖めよう と 物 を 燃やしている んだ。」
マスタング は 指 を 鳴らした。
炎 が 水 と 出会い、 両者 は 広場 全体 を 飲み込む 程 に 濃い 蒸気 の 雲 の 中 に 消えた。 マクドゥーガル は 反対 側 から 走って 出てきた。 水 で 自分 を 濡らし続けている 間 は 炎 は 彼 に 効かず、 大佐 も それ を 知っていた。 彼 は 錬成 陣 に 向かって 走った。 ほぼ 完成 している 錬成 陣 へ。 最後 の 一つ へ。
彼 は 三 週間 かけて それら を 描いてきた。 中央市 全体 に 正確な 間隔 で 配置 さ れた 六つ の 錬成 陣、 それぞれ が 互いに 結ば れ、 一 点 に 向け られていた。 中央司令部 の 塔 を。
彼 は 冷たい 石 の 通り に 掌 を 押しつけた。
そして、 街 が 悲鳴 を 上げた。
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氷 は 一斉 に 湧き 上がった。
一 か所で はなく、 六 か所 で 同時に、 世界 が 割れる ような 音 を 立てながら 白い 柱 が 錬成 陣 から 爆発 し、 そして 成長 し、 広がり、 繋がり、 三 階 建て の 高 さ に 達して も なお 成長 し続けた 峰 を 形成 した。 人々 は 湧き 上がる 壁 から 逃げた。 窓 は 寒 さ で 砕か れた。 中央司令部 前 の 広場 で は、 地面 そのもの が 敵 と 化す につれ、 兵士 たち は 高台 を 目指して 逃げまどった。
エド と アル が 広がる 峰 の 端 に 立った 時、 エド は 考えた。 これ ほど の 力 を 持つ 人間 の 錬金術 師 は いない。 何 か で 動かさ れている はずだ。
「 賢者の石」 と アル が 静か に 言った。
「 ああ。」 エド は 氷 の 壁 が ゆっくり と 噴水 を 飲み込んでいく の を 見た。「 そう に 違いない。」
三 時間 前 に 彼ら は マクドゥーガル の 動き の パターン を 発見 していた。 無 作為 に 描か れた 錬成 陣 で はなく、 正確な 距離 を とった 羅針盤 の 方位 点 に、 すべて が 内側 に 向け られる よう に 配置 さ れていた。 論理 的な 中心 点 に 向かった。 司令 部 の 東側 の 細い 通り、 二つ の 半径 が 交差 する 場所。 そこ に マクドゥーガル が いた。 両 掌 を 石 に 押しつけ、 残る 力 を 街 の 骨 に 流し込みながら。
彼ら が 近づいてくる 足音 を 聞きつけると、 彼 は 顔 を 上げた。
「 まだ 分からない の か?」 と 彼 は 声 を 荒 げた。 その 声 は 嗄れていた。「 奴ら が 何者 か 分かる か? 何 を している の か 分かる か?」 彼 は エドワード を 見つめた。「 お前 たち は 国 に 向けて 放た れた 武器な のに、 それ さえ 知らない。」
「 十分 に 知っている」 と エド は 言い、 意図 した 以上 に 冷たい 声 に なった。
「 そう か?」 マクドゥーガル の 目 が アル に 向いた。 そこ に 留まった。 彼 の 表情 に 何 か が 変わり、 認識 を 通り越して 複雑な 場所 に 辿り 着いた。「 その 鎧」 と 彼 は ゆっくり と 言った。「 中 に は 誰 も いない。」
アル は 完全 に 静止 した。
「 鎧。 そして 腕。」 マクドゥーガル は 今 エドワード を 見ており、 その 表情 に は 怒り が まったく なかった。 エド が 認識 さ れたくなかった 認識 だけ が あった。「 やった んだ な。 人体 錬成 を 試みた。 二 人 とも。」 彼 は 静か に、 ほとんど 優しく、 すでに 知っていた こと を 言い表す 時 の よう に 言った。「 何 を 取り戻そう として いたんだ?」
二 人 の 間 に 落ちた 沈黙 は 完全な ものだった。
そして エドワード は 彼 を 殴った。
技術 的 に 見て 錬金術 の 見事な 活用 と は 言えなかった。 厳密 に 必要な 量 より 相当 に 強い 力 で 地面 から 飛び出した 石 の 柱 が マクドゥーガル の 胴体 を 捉え、 凍った 石畳 に 吹き飛ばした。 エド は 彼 の 上 に 立ち、 荒い 息 を つきながら、 拳 を 握りしめ、 今 は 検討 する つもり の ない 複雑な 何 か を 顔 に 浮かべていた。
「 やめろ」 と 彼 は 言った。 ただ その 一言 だけ。
マクドゥーガル は 氷 の 上 に 横たわり、 空 を 見上げた。 かすか に 微笑んでいた。 疑っていた こと を たった今 確認 した 男 の 微 笑みだった。 そして 横 に 転がると 水 が 彼 の 周り に 湧き、 エド は 彼 に 向かって 飛び込んだ が、 マクドゥーガル は すでに 滑っており、 文字通り 水 とともに 流れ、 細い 路地 へ、 角 の 向こう へ、 消えた。
エド は 凍りついた 通り に 立って 息 を した。
「 兄さん」 と アル は 静か に 言った。
「 分かってる」 と エド は 言った。「 分かってる。 行こう。」
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彼ら は 路地 の 突き 当たり で 彼 を 見つけた。
いや、 正確 に は、 キング・ブラッドレー が そこ で 先 に 彼 を 見つけていた。
総統 は 大柄な 男 で は なかった。 若い 男 で も なかった。 眼帯 と 制服 を、 彼 が すべて を 纏う 時 と 同じ 気取り の ない 権威 を 持って 身 に つけており、 すでに 抜か れた 剣 を 手 に、 ある 種 の 速 さ の 誇示 より も はるか に 恐ろしい、 無造作 で ゆっくり と した 動作 で マクドゥーガル に 向かって 歩いていた。
マクドゥーガル は 手 を 上げた。 水 が 湧いた。 彼 は いつも 速かった。 通り から 噴出 した 氷 の 壁 は、 生きている あらゆる 人間 を 止める の に 十分な ほど 厚く 高かった。
ブラッドレー は その 中 を 通り抜けた。
迂回 してで は なく。 通り抜けて。 一つ の 氷 の 塊 と 次 の 塊 の 間 の 暗がり の 中 で 剣 が 動き、 塊 は 破片 に なり、 破片 は 無意味 に なった。 マクドゥーガル の 目 が 見開か れた。 彼 の 手 は 速く 動き、 通り そのもの から、 地下 から、 本来 存在 する はず の ない 水源 から 水 を 引き上げた。 しかし ブラッドレー は 歩き続け、 剣 が 灰色 の 朝 の 光 の 中 で 銀色 の 軌跡 を 描き、 各 攻撃 は 完全 に 形成 さ れる 前 に 解体 さ れ、 そして 最後 の 壁 を 通り抜けた 後、 剣 は すでに その 弧 を 完成 さ せていた。
マクドゥーガル は 倒れた。
彼 は ゆっくり と 倒れた と エド は 思った、 路地 の 入り口 から 見ながら。 膝 を つき、 奇妙な 意図 を 持った 形 で 倒れる 時間 が あった。 まるで 礼 を する よう に。 彼 は 石畳 の 上 に 横向き に 倒れ、 静止 した。 その 血 が 細い 暗い 流れ と なって 側溝 に 流れ出た。
その 流れ の 中 で、 何 か が 光 を 捉えた。
小さく 赤い もの、 砂利 より 大きく はなく、 流れ の 中 で ころころ と 転がっていた。 石 の 割れ目 に 達し、 その 中 に 滑り込んだ。 エド が 二 歩 踏み出した 時 に は すでに 塵 に なっていた。 ピンク 掛かった 灰色 の 塵 が 水 の 中 に 広がり、 そして 何 も なくなった。
ブラッドレー は 振り返り、 一つ の 覆わ れていない 目 で エドワード を 見た。
「 ああ」 と 彼 は 愉快 そう に 言った。「 鋼 か。 良い タイミングだ。」 彼 は 静かな 音 を 立てて 剣 を 鞘 に 収めた。「 お前 と 弟 は 無事だろう な?」
エド は 赤い 石 が あった 場所 を 見た。
「 大丈夫です」 と 彼 は 言った。「 二 人 とも 大丈夫です。」
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街 の どこ か の 狭い 執務 室 で、 マスタング は 窓 の 前 に 立ち、 通り の 氷 が 朝 の 光 の 中 で 溶け始める の を 見ていた。 何 時間 も かかるだろう。 おそらく 一 日 かかるだろう。 それ によって 通り は 洪水 に なり、 低地 は 川 の 臭い で 満たさ れる こと に なるだろう。 彼 は 二 十 分 足らず で 報告 書 を 書き上げ、 その後、 イシュヴァル で 戦い、 壊れた まま 帰還 し、 名前 を つける こと の できない 何 か を 解体 しよう として 最後 の 数 ヶ月 を 過ごした 男 について 長い 間 静か に 考えた。
マクドゥーガル が 広場 で 言った こと を 考えた。
「 お前 たち は すでに 燃えている 家 の 中 で、 人 を 暖めよう と 物 を 燃やしている んだ。」
その 言葉 について 長い 間 考えた。 そして、 まだ 行動 する 準備 が できていない 他 の 考え を 仕舞っておく 場所 に、 その 考え を 慎重 に 仕舞った。
ホークアイ が ノック し、 返事 を 待たず に 入ってきた。 それ が 彼女 の 長年 の 方針だった。
「 エルリック 兄弟 が リオール について また 聞いています」 と 彼女 は 言った。
「 明日 出発 する と 伝えてくれ。」
「 昨日 も そう 伝えました。」
「 では 改めて そう 伝えてくれ。」 彼 は 窓 から 振り向いた。「 賢者の石 について 何 が 分かっている?」
ホークアイ の 表情 は 変わらなかった。 彼女 は それ が とても 上手だった。「 ほとんど 何 も。 公式 に は。」
「 非公式 に は?」
「 こちら も 非常 に 少し だけ。」 彼女 は 間 を 置いた。「 マクドゥーガル は 一つ を 持っていた。 氷 の 錬成 陣 に それ が 使わ れ、 今 は なくなっています。」
「 どこ か から 手 に 入れた はずだ。」 マスタング は 外 の 街 を 見た。 氷 が あった 場所 を 雪解け 水 が 流れている。「 人間 が 賢者の石 を 製造 する こと は できない。 という こと は、 誰 か が 彼 に 与えた か、 彼 が 見つけた か の どちら かだ。 という こと は、 もっと ある という ことだ。」 彼 は 言葉 を そのまま に した。
ホークアイ は 何 も 言わなかった。
「 調べてくれ」 と 彼 は 言った。「 静か に。」
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遙 か 南 の、 リオール という 埃 っぽい 街 で、 午後 の 熱気 の 中、 開いた 窓 から ラジオ 説教 師 の 声 が 流れ出ていた 頃、 一 人 の 女性 が テーブル に 座り、 目 の 前 に 水 の グラス を 置き、 手 に 新聞 を 持っていた。 彼女 は 美しかった。 しかし、 それ は 同時に 何 か 間違っている よう に も 感じ られる 美し さだった。 完璧すぎる、 静かすぎる、 絵画 の 美し さ の よう に。 彼女 の 向かい で は、 義眼 を 持つ 太った 男 が 食事 を とりながら 何 も 言わなかった。
彼女 は 新聞 を 置いた。
「 凍結の錬金術師 が 死んだ」 と 彼女 は 言った。
「 無駄だった な」 と 男 は 食べながら 言った。
「 良い 生贄 に なった はずだ。」 彼女 は 目 に 見える 感情 を 出さず に それ を 考えた。「 使いすぎた のだ。 石 は 明るく 燃え、 そして 燃え尽きる。 彼 も それ を 知っていた はずだ。」 彼女 は 指 の 間 で 水 の グラス を ゆっくり と 回した。「 急ぎ すぎていた。」
「 我々 は?」
彼女 は 窓 の 外 の 街 を 見た。 自分 たち に 迫ってくる もの に まだ 気づかず、 自分 たち の 街 と その 奇跡 の ラジオ 説教 師 が すでに 自分 たち に は 見えない 計算 の 要素 に なっている こと に も 気づかない 人々 が、 普通 の 午後 を 過ごしている 様子 を。
「 我々 の 仕事 は もうすぐ 始まる」 と 彼女 は 言った。「 そして、 きちんと 行う 時間 は ある。」
外 で、 夕べ の 礼拝 を 告げる 鐘 が 鳴った。 リオール の 信者 たち は いつも の よう に、 ここ 数 ヶ月 ずっと そう してきた よう に、 その 音 に 向かって 振り返った。 窓 の 下 で 街 は 日常 の 生活 を 続け、 女性 は それ を 眺めていた。 その 目 に は 温か さ も 残酷 さ も なく、 ただ すでに 計算 を 終えた 者 の、 辛抱強く 急かさ れる こと の ない 注意 が ある だけだった。