数字 は 小さく、 ほとんど 穏やか に 見えた。 タンク の 温度 は 最初 約 25 度だった。 翌朝 に は 32 度 近く に なり、 その後 は 1 時間 ごと に 約 1 度 ずつ、 着実 に 上がり続けた。
カリフォルニア州ガーデングローブ で 監視 していた 消防 士 たち にとって、 その 緩やかな 上昇 こそ が オレンジ郡 で 最も 恐ろしい ことだった。
GKNエアロスペース の 工場 に ある 約 12 万 8000 リットル の タンク の 中 に は、 メタ クリル 酸 メチル という 無色 の 可燃 性 化学 物質 が 入っていた。 航空機 の 窓 など に 使わ れる 透明な アクリル 樹脂 を 作る ため に 用い られる 物質だ。 この 化学 物質 は 火 が なく て も 危険 に なる 可能 性 が ある。 温度 が 上がると 自己 反応 を 始め、 さらに 熱 を 発生 さ せ、 反応 が 加速 する。 これ を「 熱 暴走」 と 呼ぶ。 最終 的 に タンク が 破裂 または 爆発 する。
しかし、 タンク を 空 に する こと も できなかった。 損傷 した バルブ が 固まって 閉じた まま に なっており、 最も 効果 的な 対処 法 が 使えなかった。
オレンジ郡消防局 の 部門 長、 クレイグ・コービー は「 残さ れた 選択肢 は まさに 二つ しか ない」 と 記者 に 語った。「 一つ は タンク が 破損 して 約 2 万 2000 リットル の 有害 化学 物質 が 駐車 場 に 流れ出す こと、 もう 一つ は 熱 暴走 で 爆発 する ことだ」
危機 は 5 月 21 日 木曜日 の 午後 3 時 30 分 ごろ に 始まった。 避難 命令 が 出さ れ、 5 月 24 日 土曜日 まで に オレンジ郡 全体 で 約 5 万 人 が 避難 対象 と なった。 ガーデングローブ、 サイプレス、 スタントン、 アナハイム など 複数 の 都市 にわたる 避難 区域 が 設定 さ れ、 12 校 以上 が 閉鎖 さ れた。
5 月 23 日 土曜日、 ギャビン・ニューサム 知事 は オレンジ郡 の 非常 事態 を 宣言 した。 オレンジ郡 地方 検事 の トッド・スピッツァー の 事務所 も 調査 を 開始 した。
幸い、 けが人 の 報告 はなく、 周辺 地域 で 有害 物質 は 検出 さ れなかった。 5 万 人 の 住民 が 自宅 の 外 で 答え を 待ち続けた。