2026年5月2日土曜日、トランプ大統領の北京訪問まで2週間を切ったタイミングで、中国商務部は長らく棚上げにされていた法律をついに発動した。
「公告第21号」と呼ばれるこの措置は、米国が中国の石油精製会社5社に科した制裁について、「承認しない」「執行しない」「遵守しない」と中国の全市民・企業・団体に命じるものだ。中国がこうした措置を取るのは初めてのことである。
北京が持ち出したのは「外国立法及びその他措置の不当な域外適用に対抗するための規則」、通称「ブロッキング規則」だ。2021年1月9日に公布されたが、これまで実際に使われることはなかった。
発動の契機となったのは、4月24日に米財務省が5社をイラン産原油の購入を理由に制裁対象に指定したことだ。最大手の恒力石化は大連の長興島に大規模な施設を構え、1日あたり約40万バレルの原油を処理している。同社は米国の主張を公式に否定している。
この法律の持つ真の脅威は、西側の金融機関にとってのリスクだ。恒力石化との取引を拒否した外国の銀行や保険会社は、中国の裁判所で訴えられる可能性がある。西側の仲介業者が米中双方の相反する要求の板挟みになる「法的な罠」が生まれたのだ。
トランプ大統領は5月14日・15日に習近平国家主席との首脳会談のため北京を訪問する予定だ。中国は、その直前というタイミングを選んでこの法律を棚から引き下ろした。