ストーンヘンジの中心には、重さ約6トンの砂岩の石板がある。この石は、周囲にそびえる立石の中で目立たず、倒れた石の下に半分埋まった状態で横たわっている。しかし、この一枚の石が、長年にわたる大きな謎の中心となっている。どうやってここまで運ばれてきたのか。
2026年6月4日に「ジャーナル・オブ・クォータナリー・サイエンス」に掲載された研究によれば、答えはにわかに信じがたいものだ。古代の人々が、スコットランド北部からイングランド南部の草原まで、約700キロもの距離を運んだというのだ。
「アルター・ストーン」と呼ばれるこの石は、ソールズベリー平原のストーンヘンジ中央に位置している。100年以上の間、研究者たちはこの石がウェールズ西部から来たと考えていた。しかし2024年の研究により、この石の起源がスコットランド北東部の「オークニー盆地」と呼ばれる地質地域であることが判明し、その通説は覆された。
新しい研究では、オーストラリアのカーティン大学とイングランドのシェフィールド・ハラム大学のチームが、砂岩内部のジルコンという鉱物粒子を分析するとともに、過去の氷河の流れをコンピューターモデルで再現した。
氷河が自然に石を運んだ可能性も検討されたが、モデルの結果は否定的だった。氷河はドッガー・バンクと呼ばれる北海の水没地帯まで岩を運ぶことができたかもしれないが、それ以上南へは届かなかった。スコットランドからストーンヘンジまで石を届けられる氷河の経路は存在しなかったのだ。
カーティン大学のアンソニー・クラーク博士は「証拠は、氷ではなく、計画的かつ意図的な移動を示している」と述べた。研究者たちは、石が陸上や川、海岸線を段階的に移動されたと考えている。
この発見は、新石器時代の人々が想像以上に高い組織力と協力関係を持っていたことを示している。約5000年前に建てられたストーンヘンジ。その中心の石板は、古代人の驚くべき努力の証だ。