バート氏はポワロから猫を受け取った。 裏地を指で押して、何かを確認して、顔を上げた。
「ポワロさん」と彼は言いました。 「お会いできて大変光栄です。」
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その訪問から三日後、ポワロはインフルエンザで寝込んでしまいました。
私は一週間前に同じ病気から回復していたので、正直に言えば、少し満足感を覚えていました。 ポワロは病気のときに素直ではありません。 彼は枕の上に横たわって、まるで殉教者のような顔をしていました。 自分で頼んでいない食べ物はすべて断り、イギリスの気候についてずっと文句を言っていました。 その火曜日の朝、玄関のベルが鳴ると、彼は力なく私の方向に手を振りました。
「行ってください、ヘイスティングス。誰にも会えません。私は死にかけています。」
「少し熱があるだけですよ。」
「同じことです。行ってください。」
私は階下に行きました。 応接間に若い男性がいました。 身なりがよく、金髪で、眠れていない人のような顔をしていました。 彼は自分をロジャー・ヘイヴァリングと名乗りました。
「ポワロ氏が必要なのです」と彼は言いました。 「叔父が殺されました。昨夜、ダービーシャーの狩猟小屋で。今朝、妻からの電報が届きました。すぐに来て、探偵を連れてくるようにと。」
私は詳しいことをメモして、また階上に戻りました。 ポワロは目を閉じて聞いていました。 目を閉じているときは、とても集中しているのです。
「ハンターズ・ロッジ」と私が話し終えると、彼はつぶやきました。 「遠い場所。死んだ男。そして、あなた、親愛なるヘイスティングス、元気な両足と、最近回復したばかりの健康を持つあなたが。」
「私があなたの代わりに行くということですか。」
「あなたに私の目と耳になってほしいのです。毎日手紙を書いてください。私は電報で指示を送ります。」 彼は少し間を置きました。 「私の言う通りにしてください、ヘイスティングス。自分で考えて動かないように。うまくいくことがほとんどないのです。」
私は荷物をまとめて、駅でヘイヴァリングと合流しました。
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北へ向かう列車の中で、ヘイヴァリングは知っていることを話してくれました。 ハンターズ・ロッジはダービーシャーの荒野にある小さな土地で、主に狩猟のために使われていました。 ミドルトン夫人という家政婦が、家族がいない間は管理していました。 死んだ男、ハリントン・ペイスは、ヘイヴァリングの叔父でアメリカ人の金持ちで、過去三年間、ロジャーとその妻ゾーイと一緒に暮らしていました。
「二日前、ハリントン叔父さんが、みんなで何日かロッジに行こうと言いました」とヘイヴァリングは話しました。 「私は町で用事があったので、昨日の夕方、六時十五分の列車で戻ってきました。ゾーイと叔父さんをそこに残して。」 彼は窓の外を見つめました。 「今朝、ゾーイの電報が来たのです。」
着いてみると、ジャップ警部がすでにロッジにいました。 彼はすぐにヘイヴァリングを連れて行きました。 私は家に入って、台所でミドルトン夫人を見つけました。 静かな中年の女性で、黒い服を着ており、明らかに動揺していました。
彼女は何が起きたかを話してくれました。 夕食の後、一人の男が玄関に来ました。 黒い髭を生やして、アメリカ訛りで、ペイス氏に会いたいと言いました。 彼女は男を銃器室に案内しました。 ペイスは姪に断りを入れて、会いに行きました。 その後すぐ、ミドルトン夫人とヘイヴァリング夫人の両方が、閉じたドアの向こうから言い争いの声を聞きました。 そして銃声が一発。
銃器室のドアは内側から鍵がかかっていました。 二人は窓の方へ回りました。 窓は開いていました。 ペイスは床に倒れて、撃たれて血を流していました。 訪問者はいなくなっていました。 ミドルトン夫人はその後、荒野を五マイル歩いて警察を呼びに行きました。
私は応接間でゾーイ・ヘイヴァリングを見つけました。 黒髪の美しい女性で、自分をしっかりと抑えているような落ち着き方をしていました。 彼女は家政婦の言ったことをすべて確認しました。 訪問者自身は見ていないと言いました。 声が聞こえただけだと。 それから、ほとんど後から思い出したかのように、銃器室の壁に掛かっていた二丁の拳銃のうち一丁がなくなっていると言いました。 彼女は警察に伝えており、警察は残っていた拳銃を持って行ったとのことでした。
私は銃器室を調べました。 絨毯に大きな血の跡がありました。 それ以外に気になるものはありませんでした。 開いた窓の外の地面からも何もわかりませんでした。
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その午後、エルマーズ・デイルでジャップと会い、遺体を見に行きました。 ハリントン・ペイスは小柄で髭のないアメリカ人で、至近距離から後頭部を撃たれていました。 見た目には危険な敵を持つような人物には見えませんでしたが、ジャップはそうは思っていませんでした。
「ヘイヴァリングには借金がある」とジャップは言いました。 「かなりの額です。そして叔父の財産は彼のものになる。最初に疑ったのは彼です。」 彼は首を振りました。 「ですが、六時十五分の列車に乗っていたことは確認されていますし、彼の行動はすべて一致しています。銃声が鳴る前に、ロンドンへ向かっていたのです。」 彼は少し間を置きました。 「あの黒い髭は変装だったと思います。これはペイスのアメリカ時代に関係した何かのように見えます。」
ジャップはゾーイ・ヘイヴァリングが訪問者を見ていなかったことを残念に思っていました。 女性は細かいことに気づくものだと彼は言いました。
私はその夜、ポワロに詳しい報告を書きました。 翌日にはさらに詳細を加えることができました。 弾丸はなくなっていた拳銃と一致したこと、ヘイヴァリングのロンドンでのアリバイはクラブで確認されたこと、そしてイーリングの男性が家の柵に挟まった茶色い紙の包みを見つけたこと、中に拳銃が入っていたこと。 一発撃たれていました。 ハンターズ・ロッジからなくなっていた拳銃でした。
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翌朝、ポワロからの最初の電報が届きました。
「髭の男がヘイヴァリングの変装だという考えはおかしい。二人の女性の描写を電報で送れ。服装、外見、すべてを。」
私はじっと電報を見つめました。 二人の女性。ミドルトン夫人とヘイヴァリング夫人。 服装の描写がどんな役に立つのか想像もできませんでしたが、詳しい内容を電報で返しました。 ゾーイ・ヘイヴァリングは明るい色のセーターを着て、帽子の下に黒髪をまとめていたこと。 ミドルトン夫人は黒い服で、声が静かで、白髪で、薄暗い廊下で主に見たこと。
ポワロの次の電報は短いものでした。
「ジャップに家政婦をすぐに逮捕するよう伝えろ。」
ジャップは電報を見て眉を上げましたが、真剣に受け止めました。 私たちはすぐにハンターズ・ロッジへ向かいました。
遅すぎました。 ミドルトン夫人はいなくなっていました。 部屋には普通の服が入った箱がありました。 名前を縫い込んだものは何もなく、彼女を特定できるものは何もありませんでした。 彼女はただ歩いて出て行ってしまったのです。
ゾーイ・ヘイヴァリングはこの知らせを聞いて、明らかに動揺しました。 約三週間前に、以前の家政婦が辞めた後、ロンドンのセルボーン紹介所を通じてミドルトン夫人を雇ったと話しました。 とても良い推薦状を持っていたと。
私はポワロに電報を打ち、紹介所に行くことを提案しました。 一時間以内に返事が来ました。
「紹介所に時間を使うな。ミドルトン夫人が最初にハンターズ・ロッジに来たとき、どんな乗り物で来たかを調べろ。」
私はほぼ一日かけて調べました。 その日付に、地元の車も、駅の車も、誰かに貸し出されていませんでした。 ゾーイはミドルトン夫人に交通費と、駅から乗り物を借りるためのお金を送っていました。 しかし、駅でその日付に一人で到着した女性を覚えている人は誰もいませんでした。 殺害の夜に、見知らぬ人が来たのを覚えている人も誰もいませんでした。 髭のある人も、そうでない人も。
二人とも、私は結論を出しました。自家用車で来たのだと。
帰りにロンドンのセルボーン紹介所に寄りました。 答えはポワロが予測した通りでした。 ミドルトン夫人という名前の女性は一度も登録されていませんでした。 紹介所はゾーイ・ヘイヴァリングの依頼を受けて候補者を送りましたが、ヘイヴァリング夫人が料金を支払う手紙を送ったとき、どの女性を採用したかを書いていませんでした。 紹介所はすべて問題ないと思い込んでいたのです。
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私が戻ると、ポワロは暖炉のそばに座っていました。 ガウンを着て、脇にはティザンのカップがありました。 かなり元気そうに見えました。
「この事件は解決できません」と私は椅子に座りながら言いました。 「殺人者は消えてしまいました。誰かを有罪にするための証拠が足りないのです。」
「ハリントン・ペイスを殺した人物がわかります」とポワロは言いました。
私は彼を見ました。
「事実を考えてみてください」と彼は言いました。 「ペイスの財産は甥に渡ります。ヘイヴァリングには深刻な借金があり、道徳的に問題のある人物です。叔父が死ぬことを望む理由が十分にありました。」彼は指を一本立てました。 「しかし、ヘイヴァリングは銃声が鳴る前にロンドン行きの列車に乗っていました。彼が引き金を引いたわけではありません。」
「では——」
「もう一人います」とポワロは言いました。 「ゾーイ・ヘイヴァリングです。」
「銃声が鳴ったとき、ミドルトン夫人が彼女と一緒にいました。」
「ミドルトン夫人は」とポワロは言いました。「存在しないのです。」
私は口を開けて、また閉じました。
「実際に自分が見たことを考えてみてください、ヘイスティングス。中年の黒い服の女性。静かな声。どこで見ましたか?薄暗い廊下です。それだけです。では——ミドルトン夫人とヘイヴァリング夫人が同じ部屋にいるのを見たことはありますか?」
私はよく思い返してみました。 「いいえ」と私はゆっくり言いました。 「彼女はいつも奥様を呼びに行っていたか、奥様が別の場所にいるかで——」
「その通りです。ゾーイ・ヘイヴァリングは結婚前は女優でした。彼女はハンターズ・ロッジに家政婦として来ました。紹介所への依頼で身元を作り、自家用車で到着し、三週間その役を演じたのです。殺害の夜、彼女は存在しない訪問者を迎え入れて、一連の出来事の間ずっと動揺した家政婦を演じました。それからヘイヴァリング夫人を呼んでくるという口実で階上に行きました。変装を外しました。明るい色のセーターを着ました。髪を整えて、化粧をして、自分自身として階下に戻ってきました。家政婦がヘイヴァリング夫人にアリバイを与え、ヘイヴァリング夫人が家政婦にアリバイを与えたのです。二人は同一人物でした。」
私はしばらくこれを頭の中で整理しました。 「イーリングで見つかった拳銃」と私は言いました。 「あれが殺害に使われた武器ですか?」
「いいえ。あれは壁から取った二丁目の拳銃です。まだ撃っていない方です。ロジャー・ヘイヴァリングが六時十五分の列車で出発するときにロンドンへ持って行きました。クラブで自分の姿を見せてから、ディストリクト線でイーリングまで短い旅をして、あの柵に包みを置いてきたのです。注目を集めるためでした。殺人者がロンドンへ向かって逃げたと思わせるために。一方、ゾーイは夕食の後、叔父の後頭部から撃ち、殺害に使った拳銃に弾を込め直して、壁に戻しました。そしてドアの鍵をかけること、窓を開けること、その後のすべてを演出したのです。」 「それで今は?」 ポワロの表情は暗いものでした。「ジャップに詳しい内容を手紙で書きました。彼は確信しています。しかし、起訴するための十分な証拠がありません。殺人者を見た人は誰もいない。家政婦は何も残していかなかった。ペイスのお金は甥とその妻に渡るでしょう。」彼はティザンを手に取りました。「時には、ヘイスティングス、法律が理性の届いた場所まで届かないことがあるのです。」
この事件はしばらく私の頭から離れませんでした。 ジャップはポワロの言った通りであることを認めました。 確信はあるが、どうにもできないと。 ヘイヴァリング夫妻は遺産を相続しました。 私は時々新聞で彼らの名前を見かけました。 ここでの夕食、あそこのカントリーハウス、ペイスのお金が彼らの生活を豊かにしていました。
そして数ヶ月後、新聞の後ろのページに小さな記事を見つけました。 パリへ向かう航空郵便便が墜落したとき、死亡した人々の中にロンドンのロジャー・ヘイヴァリング夫妻がいました。
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私は新聞を置いて、しばらく静かに座っていました。 それからポワロに伝えに行きました。
彼は聞いて、一度うなずき、何も言いませんでした。 また本を手に取りました。 付け加えるべきことは何もなかったのです。