運動ニューロン病(MND)は、筋肉を動かす神経が壊れていく病気で、診断されてから数年で亡くなることが多い恐ろしい病気だ。これまで進行を遅らせる方法が見つかっていなかったが、オーストラリアのクイーンズランド大学の研究チームが新しい薬を開発した。
研究チームは、免疫に関係する「C5aR2」という受容体を狙う「R8Y」という分子を作った。この受容体は、体の中で強い炎症を起こす原因になっていたが、これまでの技術では薬を結合させることが難しかった。今回の研究では、日本やインド、韓国などの研究者たちと協力して、薬が受容体に結合する仕組みを詳しく分析することに成功した。
この薬を使うことで、脳や神経の炎症を抑え、病気の進行を遅らせることができると期待されている。研究を率いるウッドラフ教授は、「5年以内に患者を対象とした臨床試験を始めたい。この病気を、すぐに命を落とす病気から、長く付き合っていける病気に変えたい」と話している。さらに、この技術はアルツハイマー病などの治療にも役立つ可能性がある。