ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、地球から約63光年離れた若い恒星「画家座ベータ星」を観測していた際、天文学者たちを驚かせる発見があった。研究チームは、以前から知られていた巨大な惑星「画家座ベータ星b」を調査していたが、集められたデータを分析する中で、全く予想していなかった新しい惑星の信号を見つけた。
この新しい惑星は「画家座ベータ星d」と名付けられた。今回の発見は、惑星の探し方に大きな変化をもたらした。通常、天文学者は惑星の光を直接捉えようとするが、今回は化学的な特徴を分析することで惑星を特定した。近赤外線分光器という装置を使い、一酸化炭素の吸収パターンを検出したのだ。さらに、大気中に水蒸気やメタンが存在することも確認された。
画家座ベータ星dは、木星の2倍から4倍の質量を持つ巨大な惑星だが、このシステムにある3つの巨大惑星の中では最も小さい。表面温度は約325度と非常に高く、恒星の周りを約91年かけて1周する。この惑星は、宇宙の塵が集まる明るいリングの中に隠れていたため、これまで見つけることができなかった。また、隣の惑星bに比べて約100倍も暗いことも、発見を難しくしていた。
実は、この惑星は11年前にチリの地上望遠鏡で撮影された写真にも写っていたが、当時は光が弱すぎて気づかれなかった。今回の発見により、画家座ベータ星は、直接観測された惑星を3つ以上持つ珍しいシステムであることが分かった。研究者は、この発見が惑星システムの形成や進化を理解するための重要な手がかりになると期待している。