5月14日、アメリカで最も影響力を持つ年金基金の幹部3人が連名で書簡を送った。彼らが管理する公的年金の総額は約1兆ドルに上り、ニューヨーク市の教師やカリフォルニア州の消防士など、多くの公務員の老後の資金が含まれている。
書簡には、ニューヨーク市会計監査官マーク・レヴァイン、ニューヨーク州会計監査官トーマス・ディナポリ、そしてカルパース最高経営責任者マーシー・フロストが署名した。彼らはSpaceXの株式公開における企業統治の仕組みを「これまでアメリカの公開市場に持ち込まれた中で最も経営陣に有利な構造」と批判した。
報道によると、SpaceXはナスダック市場に「SPCX」というティッカーで上場し、企業価値約1兆7500億ドルで750億ドルの資金調達を目指している。これが実現すれば、2019年のサウジアラムコのIPOを超え、史上最大の新規株式公開となる。
問題の核心は議決権の構造にある。一般投資家が購入するクラスA株は1票だが、内部関係者が持つクラスB株には複数の議決権が付与される。イーロン・マスクは約42%の株式を保有しながら、79%から83.8%の議決権を持つと見られている。年金基金はこの仕組みにより、マスク氏を解任するには本人の同意が必要になると指摘した。
それでも上場への関心は高く、IPO株式の最大30%が個人投資家向けに割り当てられる予定だ。正式な目論見書は5月18日の週に公開される見通しである。