ロシアで、亡くなった兵士の写真をAI技術で動かすサービスが広がっている。2022年に始まったウクライナ侵攻で多くの兵士が命を落としたが、SNS上では彼らがまばたきをし、微笑み、遺族に語りかける動画が次々と投稿されている。葬儀の場でこの動画が流されることもある。
このサービスを作る「ニューロ・クリエイター」と呼ばれる制作者たちには、自身も家族を失った女性が多い。コラブレワ氏は、遺族が最後の別れを告げる手助けをしたいと考え、この活動を始めた。一方で、この技術はビジネスとしても成功しており、1日に約730ドルを稼ぐ制作者もいる。動画の価格は17ドルから133ドルほどで、誕生日などの記念日に合わせて何度も注文する遺族もいるという。
しかし、動画の中の兵士たちは戦場の悲惨さを語らず、愛国的なヒーローとして描かれる。このため、ウクライナのネットユーザーからは強い怒りの声が上がっている。ロシア国内でも「感動した」という意見がある一方で、「不気味で倫理的に問題がある」と批判する声もあり、反応は分かれている。
専門家は、このような「デジタル遺影」が人々の悲しみを癒やす一方で、戦争への支持を強める道具として利用されている可能性を指摘している。ある遺族は「技術を使っても、息子を二度と抱きしめられないという現実は変わらない。これはただの幻だ」と語った。