2026年5月11日、フィリピン下院は257対9(棄権)の圧倒的な賛成多数で、サラ・ドゥテルテ副大統領を二度目の弾劾訴追した。同国の歴史上、二度弾劾された初めての高官となった。採決が行われたとき、彼女はヨーロッパにいて、ハーグの拘置施設に収容されている父親を面会していた。
弾劾訴追状は今後、パシグ川を渡り上院へと送られ、上院は弾劾裁判所として審理を行う。しかし、同じその朝、上院では驚くべき動きがあった。上院議員らが13対9の投票でビセンテ・ソット三世上院議長を解任し、ドゥテルテ家の長年の支持者であるアラン・ピーター・カエタノ議員を新議長に選出した。つまり、副大統領の弾劾裁判を主宰する人物は、彼女の政治的同盟者となった。
弾劾の訴因は広範にわたる。憲法違反、公的信頼の裏切り、収賄、説明のつかない財産、副大統領府および教育省における機密資金の不正使用などが含まれる。また、フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領や下院元議長マーティン・ロムアルデスへの殺害予告も訴因とされている。
財務面での疑惑も深刻だ。ドゥテルテ夫妻に関連する銀行口座では、合計約67億7000万ペソの取引が確認されたと報じられている。
有罪判決には上院の3分の2、つまり24議席中16票が必要だ。有罪となれば、副大統領職を失うだけでなく、2028年の大統領選への立候補も禁じられる。上院の主導権が彼女の同盟者に移ったことで、その壁はさらに高くなったと見られている。