5月22日、メキシコ市の国立宮殿で歴史的な瞬間が訪れた。メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長、欧州理事会のアントニオ・コスタ議長の3人が「現代化グローバル協定」に署名した。この協定により、EUとメキシコの間で取引される約99%の製品への関税が撤廃される。
署名のタイミングは偶然ではない。両者はこの合意を、アメリカへの依存を減らすための戦略的な多角化として公に位置づけた。トランプ大統領の関税政策が双方の輸出業者に打撃を与える中、コスタ議長は「この協定は真の地政学的声明だ」と率直に述べた。
経済的な数字も大きい。2025年のEUとメキシコの年間貿易額は約860億ユーロに達し、2000年の最初の協定以来ほぼ4倍に成長した。新しい協定は農業、デジタル貿易、投資、サービスなど幅広い分野をカバーし、テキーラなど両者の地理的表示も保護される。またEUはメキシコへの約50億ユーロの投資パッケージも発表した。
交渉は2016年に始まり、2025年1月にようやく妥結した。欧州議会の承認を経て正式に発効する予定だ。EUはこの3週間前にメルコスールとも暫定協定を発効させており、ラテンアメリカとの貿易関係を積極的に強化している。