2001年、アメリカの動物園で不思議な出来事がありました。オスがいない水槽で、メスのウチワシュモクザメが赤ちゃんを産んだのです。科学者たちは最初、メスが体内にオスの精子を保存していたのだろうと考えました。しかし、遺伝子を調べた結果、赤ちゃんには母親の遺伝子しか含まれていないことが分かりました。
このように、受精していない卵から子供が生まれる現象を「単為生殖」と呼びます。サメの単為生殖は、卵が作られる時にできる別の細胞と卵が合体することで起こります。科学者たちは、これは周りにオスがいない時の最後の手段だと考えていました。
しかし、オーストラリアの水族館にいたレオニーというサメは、以前はオスと交尾して子供を産んでいたにもかかわらず、オスと離されてから単為生殖に切り替えました。さらに、シカゴの水族館では、周りにオスがたくさんいる環境でも、単為生殖を選んだメスがいました。
この発見は面白いですが、サメの未来にとっては悪い影響もあります。単為生殖で生まれた子供は、親が一人しかいないため遺伝子の多様性が低く、病気になりやすくて長生きできません。海でサメの数が減ると、この方法で増えるサメが多くなり、結果としてサメ全体の力が弱まってしまうことが心配されています。