糖尿病や肥満の治療には、これまで注射薬がよく使われてきた。しかし、注射薬は冷蔵庫で保存する必要があり、自分で注射することに抵抗を感じる人も多い。そこで、注射の代わりに毎日1回飲むだけで高い効果が期待できる新しい薬「エレコグリプロン」が注目されている。
アストラゼネカ社が開発を進めるこの薬は、お腹の満腹感を高めて食欲を抑える働きがある。これまでの飲み薬と違って、飲む前後に水や食事を制限する必要がないのが特徴だ。
世界中で行われた臨床試験では、この薬を飲んだ肥満の人が26週間で体重の10.5%を減らすことに成功した。また、糖尿病の患者を対象にした試験でも、血糖値を示す数値が大幅に下がり、多くの人が目標の数値を達成した。血圧が下がるなどの健康効果も見られている。
副作用として、吐き気や下痢などの胃腸の症状が報告されているが、その多くは軽いものだという。現在はまだ開発中の段階だが、今後さらに大きな試験が予定されている。すでに他社からも同様の飲み薬が登場しており、注射を使わない新しい治療法の開発競争が激しくなっている。