2026年5月23日、98歳のハリー・ヒーズマンは、イギリス・ケンブリッジシャーにあるダックスフォード飛行場で、複葉機の上翼に体を固定したまま、高度300メートル以上の空を飛んだ。この挑戦により、彼はギネス世界記録の「最高齢のウィングウォーカー(男性)」として認定された。
ウィングウォーキングとは、飛行中の複葉機の翼の上に立つスタントで、1920年代のアメリカで生まれた。ヒーズマンにとって、この夢はほぼその頃から続いていた。
9分以上にわたって翼の上に立った後、彼はこう語った。「これまでの人生で最も素晴らしい体験だった」と。
この挑戦は、単なるスリルのためではなかった。イギリスの慈善団体「レノックス小児がん基金」への募金を目的としており、がんで亡くなった妻と息子への追悼の意も込められていた。募金目標は5,000ポンドで、飛行翌日には既に3,700ポンド以上が集まっていた。
本番に向けて、ヒーズマンはリーフ・コーウェルというトレーナーとともに11ヶ月間トレーニングを続けた。彼が暮らすエセックスの介護施設のマネージャー、キャロリン・シストが、バケットリストを作るよう勧めたことがきっかけだった。
ヒーズマンは第二次世界大戦中、14歳で家具工場で働き、木製の軍用機「デ・ハビランド・モスキート」の製造に携わった。そして98歳になった今、その航空機の時代へと空の上で戻ったのである。
ギネス世界記録の審査員プラヴィン・パテルが現地で記録を公式に認定した。ヒーズマンは1927年5月30日、ロンドン生まれで、99歳の誕生日まであとわずか数日だった。