中国の火星探査機「天問1号」が、太陽系外からやってきた珍しい恒星間彗星「3I/ATLAS」の撮影に成功した。この彗星は、2017年の「オウムアムア」、2019年の「ボリソフ」に続いて、人類が確認した3番目の恒星間天体である。非常に古い歴史を持つ彗星で、数十億年も前から存在していると考えられている。
撮影は非常に難しい挑戦だった。天問1号のカメラは、明るい火星の表面を撮るために作られたものであり、暗い彗星を写すには光が足りなかった。彗星の明るさは火星の1万分の1から10万分の1しかなかったため、研究チームは事前に何度もシミュレーションを行い、カメラの設定を調整した。
準備は見事に実を結び、探査機は57枚の写真を撮影することに成功した。写真には、彗星の固い中心部分や、ガスで輝く頭部、そして後ろに伸びる尾がはっきりと写っていた。この彗星は非常に活発で、太陽の光に温められて、1秒間に約1000キログラムもの塵を宇宙空間に放出しているという。
今回の成功は、中国の宇宙探査において大きな一歩となった。得られたデータや経験は、小惑星や彗星を近くで調査する次の「天問2号」計画に直接活かされる予定だ。