2026年4月1日、4人の宇宙飛行士を乗せた巨大なロケットが月に向かって打ち上げられました。この「アルテミス2号」のミッションは、1972年のアポロ計画以来、人類が再び月の近くへと戻る歴史的な一歩となりました。この現代の旅では、乗組員の安全を守るために人工知能(AI)という新しい相棒が活躍しました。
10日間の飛行の中で、宇宙船「オリオン」は地球から約40万キロメートル離れた場所まで到達し、これまでの記録を塗り替えました。乗組員の中には、女性として初めて月の近くまで旅をしたクリスティーナ・コック氏や、カナダ人として初めて参加したジェレミー・ハンセン氏が含まれていました。
地球から遠く離れた宇宙では、通信に1秒以上の遅れが生じるため、地上の管制塔からすぐに指示を出すことができません。そのため、宇宙船自身が自分で判断して動くシステムが必要でした。航空宇宙企業のロッキード・マーティン社は、数千もの機器から送られるデータを分析し、異常を素早く見つけるソフトウェアを開発しました。このシステムは、人間が240年かかる分析を、わずか1時間で終わらせることができます。
また、宇宙飛行士を脅かす太陽の放射線を予測するためにも、機械学習の技術が使われました。AIは太陽の活動を分析し、1日前に危険を予測して乗組員の安全を守りました。
この歴史的なミッションを、地上のテキサス州ヒューストンから支えた一人の大学院生がいました。NASAのジョンソン宇宙センターでインターンをしていたジョン・グラハム・レイノルズ氏です。彼は、宇宙船のシステムに問題が起きた際、技術者が複雑な資料から必要な情報を素早く見つけ出せるようなAIプログラムを開発しました。
エンジニアとしての経験を持ち、大学院に戻ってこのプロジェクトに参加したレイノルズ氏は、「人類をこれまでで最も遠くまで運ぶミッションを支えられたことは、素晴らしい経験でした。私はNASAという大きな組織の小さな歯車にすぎませんが、私の小さな一歩が人類の大きな飛躍につながると信じています」と語りました。