光が反射している間に、その性質を変える鏡を想像してほしい。これまで人類は、光が通る物質を変えることで光を曲げてきた。しかし今回、国際的な研究チームが、時間のルールを変えることで光をコントロールすることに成功した。
フランスのエコール・ポリテクニークやドイツのヘルムホルツ・ツェントルム・ドレスデン・ロッセンドルフ(HZDR)などの研究者たちは、世界で初めて光を制御する「時間結晶」を作り出した。この結晶は、1兆分の1秒という非常に短い時間で、光に対する性質を変化させることができる。
この技術は、電子機器で使われるマイクロ波と、光通信で使われる赤外線の間にある「テラヘルツ波」という電波を利用している。テラヘルツ波はこれまで扱うのが難しかったが、この新しい結晶を使うことで、より速い光コンピュータや新しい通信ネットワークの開発が可能になるという。
研究チームは、半導体と金の微細な構造を組み合わせたデバイスを作り、強力なテラヘルツ波を当てて実験を行った。その結果、光の損失を半分以下に減らしながら、光の性質を劇的に変えることに成功した。研究者たちは、この技術が将来の光技術を大きく変える可能性があると期待している。