世界中の高校の化学では、原子がどのようにつながるかを学ぶ。しかし、周期表の最も重い元素の中では、電子が非常に速く動くため、これまでのルールが通用しなくなる。ブラウン大学とワシントン州立大学の研究チームは、相対性理論の効果が化学結合の性質を変えることを実験で初めて証明した。この発見は科学誌「サイエンス」に発表された。
研究チームは、鉛の近くにある重い元素「ビスマス」に注目した。ビスマスは原子核が大きいため、電子が光の速さに近い速度で動く。この速度では、アインシュタインの特殊相対性理論の効果が現れる。研究チームは、炭素とビスマスの分子を絶対零度近くまで冷やし、レーザーを使って電子の動きを精密に測定した。
その結果、教科書に書かれているような普通の結合とは異なる現象が確認された。電子の超高速な動きによって、結合の境界があいまいになり、新しい形の結合が生まれていた。この発見は、太陽光パネルの技術など、新しい材料の開発にも役立つと期待されている。