コンクリートの柱の上を、無人の4両編成の列車が静かに走り抜ける。カイロ・スタジアム駅を出発し、約1時間後にはエジプトの新行政首都の高層ビル群へと到着する。その距離は56.5キロメートルにも及ぶ。
これが「東ナイル・モノレール」だ。2026年4月25日に正式な旅客サービスが開始された。シシ大統領は3月20日に開通式を行い、マドブーリー首相やワジール交通大臣とともにこの歴史的な路線を祝った。
路線は22駅を結び、最高時速は約80キロメートル。満員時には90秒に1本の列車が運行され、1時間あたり最大4万5000人を運ぶことができる。1日の利用者数は50万から60万人と予測されている。
列車はゴムタイヤを使用しており、鋼鉄のレールではなく高架の軌道を静かに走る。完全自動化システムを採用し、アルストム社の信号技術によって制御される。従来の電気鉄道と比べてエネルギー消費量が約30パーセント少ない。
40編成のアルストム・イノビア300型列車は、イギリスのダービー市にある工場で製造された。総工費は約27億ユーロで、30年間の運営・維持費を含めると約41億ユーロになる。工事はアルストム、オラスコム建設、アラブ・コントラクターズの3社が担当し、約1万5000人の直接雇用を生み出した。
カイロ首都圏には1900万人以上が暮らし、世界有数の渋滞都市だ。世界銀行の試算では、交通渋滞はエジプトのGDPの約4パーセント相当の損失を生んでいるとされる。このモノレールはその解決策の第一歩となる。