地球から73光年離れた場所で、天文学者たちがこれまでの「月」のイメージを覆す天体を発見しました。それは、木星と同じかそれ以上の重さを持つ巨大なガスの球で、自ら光らない星(褐色矮星)の周りを回っています。
この天体があるのは「CD-35 2722」という連星系です。中心には太陽の半分の重さの赤色矮星があり、その周りを木星の30倍以上の重さを持つ褐色矮星が回っています。そして今回、その褐色矮星の周りを170日周期で回る、新たな天体が発見されました。この天体は褐色矮星の周りを回っているため、役割としては「月」にあたりますが、その大きさやガスの性質は、私たちの太陽系にある岩石の月とは全く異なります。
研究を率いたヨーロッパ南天天文台のケビン・ホイ氏は、「この天体は惑星のような大きさですが、褐色矮星の周りを回っているため、月と呼びたくなります」と語っています。研究チームは、惑星や月という言葉を避け、この天体を「系外衛星」と呼ぶことにしました。
今回の発見には、チリにある超大型望遠鏡(VLT)が使われました。2023年から2026年にかけて観測が行われ、褐色矮星が受けるわずかな重力の影響を調べることで、この天体の存在が確認されました。この成果は2026年7月に科学誌『ネイチャー』に発表され、宇宙のルールを再考させる重要な一歩として注目されています。