5億年以上前、現在の中国南部の温かい海を、体長わずか3センチメートルほどの奇妙な生き物が泳いでいた。この古代の海洋生物は「ウロコディア」と呼ばれている。研究者たちは、この生物がクモの牙の基となる体を持った、最も古い生物であることを突き止めた。
2026年7月1日に科学誌「ネイチャー」に発表されたこの発見は、最新の医療技術によるものである。中国の雲南大学とイギリスのレスター大学の共同研究チームが、X線トモグラフィーを使って化石の内部を調べた。この技術により、岩を壊さずに3次元モデルを作ることができた。
化石の内部には、数億年前の柔らかい組織がそのまま残されていた。ウロコディアの目の前に、小さなハサミのような形をした一対の脚があるのが見つかった。これは「鋏角」と呼ばれる部分の初期の姿である。現代のクモやサソリ、ダニなどは、この鋏角を使って獲物を捕まえたり、突き刺したりしている。
これまで、このような構造を持つ最も古い生物は、ウロコディアより約1400万年後のものだとされていた。今回の発見は、初期の節足動物の単純な脚から、後の世代に見られる複雑なハサミや牙へとどのように進化していったかを示している。
この化石は、古代の生物の体がきれいに残っていることで有名な、雲南省の澄江で見つかった。レスター大学のマーク・ウィリアムズ教授は、「ウロコディアは5億年以上前の海にいた200種類以上の生物の一つだった。これらの化石は、地球上で生命がどのように進化してきたかを教えてくれる」と述べている。