インドネシアよりもインド本土から遠く離れた、森に覆われた島でチェーンソーが動き始めた。
グレート・ニコバル島はインド最南端に位置し、アンダマン海に浮かぶ小さな島だ。本土から約1,600キロメートル離れており、面積は香港とほぼ同じ程度だが、ほぼ全土が熱帯雨林に覆われている。科学者たちでさえ、この島の生態系をまだ十分に調査できていない。インド政府はここに約90億ドル規模の巨大プロジェクトを計画している。大型の港湾施設、軍民共用の空港、そして全く新しい都市を建設するという計画だ。
その理由は地図を見れば明らかだ。この島はマラッカ海峡の近くに位置しており、世界で最も重要な海上輸送路の一つとされている。インドはこのプロジェクトをインド洋における自国の存在感を強め、中国に対抗するための手段として位置づけている。
開発面積は約166平方キロメートル、島の約5分の1に相当する。港はガラテア湾に、空港はキャンベル湾に建設される予定で、滑走路は約3キロメートルに延長される。港の第一期工事は2028年の完成を目指している。
一方、深刻な問題もある。約96万4,000本の木が伐採される見込みで、絶滅危惧種であるオサガメの主要な産卵地も影響を受ける。また、島にはションペン族とニコバル族という先住民族が暮らしており、特にションペン族は数百人しかおらず、外部の病気への免疫がほとんどない。2024年2月には39人の専門家がこの開発を「ションペン族への死刑宣告だ」と訴える公開書簡に署名した。
さらに、グレート・ニコバル島はインドで最も地震リスクが高い地域にあり、2004年のインド洋大地震と津波でも大きな被害を受けた。政府はこの計画を国家的・戦略的に重要なものとして推進しているが、その代償は非常に大きい。