ドイツの政治では、主流の政党が極右政党との協力を拒否するというルールが守られてきた。しかし、このルールが今、大きな試練を迎えている。2013年に設立された極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が、地方選挙で初めて政権を握る可能性が出てきたからだ。
特に旧東ドイツ地域でAfDの支持率が急上昇している。ザクセン・アンハルト州では、AfDの支持率が40パーセントを超えている。主流の政党がすべて協力しても、AfDの支持率に届かないという異例の事態になっている。東ドイツ地域では、1990年の東西統一の後も、西側との経済的な格差や人口減少に対する不満が残っており、これがAfDへの支持につながっている。
この動きは東側だけでなく、西側や首都ベルリンにも広がっている。2026年7月の調査では、リベラルな傾向が強いベルリンでもAfDが支持率でトップになった。これにより、メルツ首相が率いる現政権は厳しい状況に追い込まれている。
主流の政党は、AfDの政権獲得を防ぐために複雑な連立政権を組む必要があるが、それは政治的な混乱を招くリスクもある。9月の選挙が近づくなか、ドイツの民主主義はこれまでにない緊張感に包まれている。