来週土曜日、モスクワの赤の広場で行われるロシアの戦勝記念日パレードに、2007年以来初めて戦車や軍事車両が登場しないことが明らかになった。ロシア国防省は4月29日、今年の式典に「軍事装備の列」はないと正式に発表した。これは、プーチン大統領が約20年かけて国家的な見せ場として作り上げてきた伝統からの大きな転換だ。
昨年5月のパレードでは1万1000人以上の兵士と150両以上の軍事車両が参加し、習近平国家主席を含む20か国以上の首脳が観覧した。今年の観客はそれよりもずっと少なくなる見込みだ。ヨーロッパの指導者の中でロシアの国家行事に参加する意向を示したのは、スロバキアのフィツォ首相のみだという。
国防省は縮小の理由を「現在の作戦状況」と説明したが、プーチン大統領のスポークスマン、ペスコフ氏はウクライナの「テロ活動」への対応だと述べた。2023年以降、ウクライナの長距離ドローンがロシア領内の燃料施設や飛行場を繰り返し攻撃しており、その攻撃範囲は今も拡大している。
西側の専門家たちは、パレードの縮小をクレムリンが自国の首都の安全を保障できなくなったことを事実上認めたものだと見ている。また、ウクライナでの長期戦争によってロシアの軍事装備が不足しているという見方もある。
今年のパレードには、例年参加していたスボーロフ軍事学校などの士官候補生の姿もない。残るのは軍の高等教育機関の兵士による徒歩行進と、Su-25攻撃機を含む航空機のフライオーバーのみだ。
一方、プーチン大統領は戦勝記念日に合わせた一時停戦をトランプ米大統領に提案した。しかしゼレンスキー大統領はこれを「演劇的なパフォーマンス」として拒否し、アメリカが提案する30日間の無条件停戦を支持すると表明した。4月のイースター停戦でもロシアは400回以上の違反を行ったとウクライナ側は主張している。
今年のパレードはソ連がナチスドイツを破ってから81周年を記念するものだ。戦車も、空に向けられたミサイルもない今年の式典は、かつてない静かなものになりそうだ。