太陽から遠く離れた冥王星は、気温がマイナス233度にもなる非常に冷たい星です。ここでは水が岩のように硬く凍りついています。しかし、最新の研究によって、この冷たい準惑星で巨大な氷の山が崩れる「地すべり」が起きていることが分かりました。
研究チームは、冥王星の表面で6箇所の巨大な地すべりの跡を発見しました。これは冥王星で地すべりが確認された初めての例です。2015年にアメリカ航空宇宙局(NASA)の探査機「ニュー・ホライズンズ」が撮影した画像を、イタリア国立研究評議会のマルコ・エマヌエーレ・ディシェンツァ氏らが詳しく分析した結果、この事実が明らかになりました。
崩れた氷は、1.5キロメートルから2.2キロメートルもの高さから落下したと見られています。落ちた氷は、クレーターの底を10キロメートル以上も滑り落ちていきました。冥王星は重力が弱く、氷が非常に滑りやすいため、予想よりも遠くまで氷が流れたと考えられています。
地すべりが起きた原因の一つは、他の天体が衝突した衝撃です。しかし、それ以外の場所では、冥王星の温度変化が原因だと考えられています。冥王星が太陽に近づいたり遠ざかったりする際、窒素などのガスが凍ったり溶けたりを繰り返すことで、崖が弱くなって崩れたようです。この発見は、極寒の星も常に変化し続けていることを示しています。